虚実

中学か高校の頃の話

スーツで来なくてはいけない集合に一人間違えてビジカジで来てしまう

周りの呆れた顔が胸を締める

サッカーの話

センスがなくて呆れられる

違うんだよそれは靴がスニーカーだから

とか

アキレス腱を痛めてなければ思うように動けるのに、とか

言わなくても周りの自分に対しての低評価が勝手に醸成されていったな

 

監督は呆れて

覚悟のない奴は辞めろって言う

それでも雨の日は覚悟を示すために野ざらしになるより

屋根の下で話を聞いていたいじゃん効率が良いのだから。

皆と同じじゃないといけないって誰が決めたんだろう。その目をやめてくれ

 

せっかくの監督の誕生日

恨みを買った先輩がナイフを持ってやってきている

皆で行ったステーキ屋さんで

監督の食べ物に毒が混ざっているとか言って

ここぞとばかりに報復みたいな真似をして

それで監督の食べ物を代わりに貰って

貧相な食事を監督にさせている自分を顧みて

嗚呼、なんて可哀想なんだなんて

言葉も出ずに己の卑小さに自覚して嗚咽して吐いた

周囲が吐く自分を見て

まああいつなら当然だよな

なんて嘲笑うのが聞こえてきた

お店の人も面倒なやつだと思って接してくれた

この世の中に親切心なんてないのだと感じて

 

嗚呼、そうこれが俺の学生時代だったなあと思い出した