矛盾が真理

 

友情について考える

誰かと、対等に話せている

それは、相手と創り出す時空間

瞬間孤独が融解して安寧な調和する

それはどこかの公園のちょっと悪びれた子供

小柄な図体に反比例して成熟している若者たち

確かにその瞬間だけは

プルーストにも負けないって思うくらいの

悠久の時を過ごしていたんだと思う

最も静かな時を過ごして居たんだと思う

 

あの安寧が、慈しみが、友情なんだと

言葉による過去への判断だけが邪魔

 

僕らはあの時確かに一個体であった

 

彼らの悲しみを、苦しみを、同じ鍋をつついたりして

小麦粉をこねくり回したりして

不調和な愛情を頬張って過ごした

 

あの時、居ないはずの弟を失った

 

僕には到底結局のところ、友情の理解が出来ないんだと思う

 

いつまで、いくら、努力をしたとして

一個体になり得ないんだと

同時に激しく矛盾を抱えるんだ

 

 

あの子のことを労ってあげたい

心を想うような人になりたい

そのために全てを捧げたい

その余裕が

その時は

あったからできた

あったからできたとしてもそれは真実で

ゆらぎ様のない現実だ

 

果たして遊離してしまい

友情は孤独へと堕ちて行くんだろう

 

それもまた、友情の過程なのかもしれないと思う

 

いくら斜に構えても

その時を思い出すこと

それは嘘偽りのない感覚だ

 

それを呼び戻すのが、忘れないのが

例え脚色がなされていようと忘れず

それが友情なんだと

教えられるようでいたい。誰に

 

僕らは大人に守られて生きているんだ

大人には友情があって忘れ失った物があって戦って

自他ともに守って

私利私欲の9割に負けじと頑張って。何割かは知らないよ

けど

 

誰かのためにと身を削って、無論私利私欲も満たして

それで僕らがArsなんだとするなら

僕らはやはり人の子だ

 

大人が嫌だろうと、子供にはなれない

子供で居続けた大人なんて見たら大変

 

彼らは守るべき義務を果たしている

 

あの夜空共に見上げた時の友情を

瞳の黒に近い青空に

やはり独りでいることの寂しさを

忘れないでいたいと思う。

 

もう寂しくはないから。